こないだ上棟したと思ったらもう足場のとれた写真です。
いよいよ足場がとれ、その外観を近隣の皆様にご覧いただいております。
写真のように、外観はThe.蔵。

こちらの店舗は伝統的保存地区内での新築をするということで、
街並みの景観と調和を図るために蔵の形態をとっています。
関の観光玄関口となっている立地のため、たくさんの方の目に触れます。
関をたくさんの方に知ってもらうための糸口が、小さい店舗ながら散りばめられています。
そのためにこの1年、お施主さんとはたくさんの交流を重ねて来ました。

お施主さんは建物を作るプロではないので、「こういう空間にしたい」「こんな場所を作りたい」
ということを伝えるために、私たち設計者は依頼を受け、打合せを重ねます。
図面にはお施主さんの言葉にできない色んな思いが、私たちの手を通して書かれています。
この図面はお施主さんと、現場とを結ぶ言語となって建物を作ります。
現場を結ぶ共通言語ですね。
たまに、指先一本で仕事をして、、、のような表現をされますが
その指先で描く一本の線はそれだけの月数とお施主さんの思いののった線を引いているのです。
そして引かれたその一本の線で、現場の職人は建物を作り、ご飯を食べているのです。
お施主さんはその線のために、人生でそう何度も支払うことのないお金を払って、
描かれた建物を手に入れます。
すごく重い線ですね。
その一本の線を引くために、私たちは10代の頃から学校に行き社会に出て修行をし、
現場でしごかれ、自分の経験したその全てをかけて線を引きます。
もし手元に図面をお持ちの方がいましたらぜひじっくりとご覧になって見てください。
たった数本の線には、そんなたくさんの思いがのっているんですよ。